是非、歩きたい道---No.1・人気の里山「矢田丘陵自然歩道・松尾寺バラ園」(5月20日(金)第57回例会報告)

コース:JR大和路線・法隆寺駅~法隆寺~松尾寺~国見台展望台~矢田丘陵自然歩道

    矢田寺~大和郡山総合公園~富雄川JR大和路線・大和小泉駅

    (15Km 「レベルC---健脚向き」高低差の大きい坂道あり/距離あり 

写真をクリックして大画面で見て下さい。水煙の鎌まで見えます。

 今回は、是非歩きたい道・人気の「矢田丘陵」を縦走致しました。急な登り坂・起伏ある丘陵---と変化に富み、やや健脚向きでしたが、深い緑と大自然に囲まれた里山満喫ウォークでした。

 

「矢田丘陵」は、斑鳩の里から生駒市の中央部にかけて縦に長く連なる、なだらかな丘陵で、「美しい日本の歩きたくなるみち・500選」にも選ばれている、身近に自然が感じられる癒しの森林浴道・「近畿自然歩道」です。

 

 五月の風薫る清々しい朝、JR法隆寺駅は多くの参加者で溢れました。「法隆寺」まで30分、法隆寺は6世紀に聖徳太子が建立した日本を代表する名刹で「世界最古の木造建築物」として、1993年、日本で初めて「世界文化遺産」に登録されました。国宝、重要文化財の建築物群だけでも55棟と仏教美術の宝庫です。

 国宝の法隆寺中門は、素屋根に覆われ工事中とのことで(重文)の金剛力士像(吽形、阿形)共、見る事が出来ませんでした。

 境内は参拝者、 修学旅行生、外国人---など大勢の観光客で賑わっていました。小学生の遠足でしょうか?赤や黄色の帽子の子供達も多く見かけました。

 

 古寺,旧集落、溜池、田園---と里山景観溢れる「斑鳩の里」歩きでした。ゴルフ場「法隆寺カントリ-」傍に来ました。道端に「十三丁」の石標あり、松尾寺への登山口です。

 「丁石」が一丁毎に置かれており、「一丁」の在る「松尾寺」までおよそ1.5Kmの登り、約40分のきつい山道でした。11時30分、やっと「松尾寺」(標高300m)に到着。昼食休憩でした。皆さんお疲れ様でした。(1丁=109m)

 

  松尾寺は「日本最古の厄除け寺」と称され、境内の高台からは、斑鳩の里・法隆寺

・遠くは葛城連山----まで見渡せる素晴らしい眺めでした。「バラの寺」としても知られ、裏庭に約70種類500株のバラが、今まさに満開・清々しい香り・色とりどりに咲き誇り、特にピンクの鮮やかさが目立ちました。爽やかな風が吹く気持ち良い昼休みでした。

  12時10分、午後のスタートです。昼食後のきつい登り坂は特にこたえますね。松尾山(330m)を抜け、「国見台展望台」に到着しました。快晴---視界良好--眺望抜群---ここから東側が大きく開け奈良盆地のほぼ全域が見渡せました。奈良・郡山・天理・桜井---その山向こうには若草山、竜王山、三輪山---と続き、まさしく「大和の国」展望でした。

 

 深緑の樹林に覆われた静かな地道・「矢田丘陵自然歩道」がどこまでも続いています

。アップダウンの繰り返しですが、涼しい風が吹き心地よいウォーク、ブナ系の木々も多くなってきました。森林の息吹や木々の「こもれび」も心地よく、黄色い山吹も心和ませてくれました。まわりが都市化の進む中、身近に自然を感じ、丘陵の植物、あちこちで聞こえる鳥のさえずり、落ち葉踏む柔らかい感触---まさに「丘陵の耽美」でした

。行き交う人にも、殆ど逢わず「矢田丘陵」を貸し切り状態でした。

 

 約1時間近く歩いたでしょうか、矢田峠近くまでやって来ました。左へ「平群町」---右へ「矢田寺」---と方向標識あり、「矢田寺」に向かいました。急な下り坂に遭遇、スタッフが大声で(足元注意---滑らないように---気をつけて---)と、手を差し伸べながら難所を通過。静かな竹藪を抜け、矢田寺に無事到着しました。皆様、元気に下山され安心致しました。矢田寺は「あじさい」でも有名、60種類、1万本以上のあじさいが植えられており、6月には鮮やかな紫色に覆われ圧巻です。

 

 小休憩のあと、大和郡山市運動公園、富雄川サイクリングロードを経てJR大和小泉駅へ直行、15時10分ゴール致しました。271名のご参加、有り難うございました。

緑豊かな大自然に、アップダウンある山道と快適な森林浴道・enjoy頂けたでしょうか?

今日は、きついウォークでもありました。お疲れ様、ゆっくりと休養頂きたく。

 

次回6月4日 京都洛北の大文字「妙・法」の麓をウォークします。ご期待下さい。

 

  [矢田寺・矢田丘陵]

「矢田のお地蔵さん」で親しまれている矢田寺(金剛山寺)。城下町郡山より西へ3.5km、矢田丘陵の中心の中腹にあり、日本最古の延命地蔵菩薩が安置されている。付近一帯は県立矢田自然公園に指定、本堂裏山には大正時代に開かれた矢田寺、四国八十八ケ所霊場があります。(約1時間位で回れます)六月には紫陽花が咲き乱れ、「あじさい寺」としても有名。

 矢田丘陵は日本神話に登場する「虚空みつ大和」発祥の場所として語り継がれ,修験者や参拝者が尾根から尾根を渡り歩いた道。美しい日本の歩きたくなるみち・500選」に選ばれており、ハイキングコースとして大変人気の丘陵です。平安と乱世を見守ってきた丘陵のロマンを感じながら歩くのもよいでしょう。

 

  [松尾寺]

 松尾寺は真言宗醍醐派の別格本山で、本尊は千手観音。通称「まつのおさん」とも呼ばれ、養老2年(718年)、舎人親王(とねりしんのう)らにより開基されました。日本書紀の無事完成と厄除けの願をかけて建立された「日本最古の厄除け寺」として、2月3月の初午の日の縁日には多くの参詣者でにぎわいます。境内にはバラ園があり、「バラの名所」としても知られています。

例会報告写真集はここからご覧ください。

お馴染みの漫歩マンさんはお休みの為、例会報告はありません。

会員のB氏から投稿が有りました。ここからクリックしてご覧ください。



明治の遺構と里山散歩「幻の大佛鐡道」跡をたどって(5月4日(水祝)第56回例会報告)

コース:JR大和路線・奈良駅~大佛鐡道記念公園~黒髪山トンネル跡~鹿川隧道

    松谷川隧道~梅美台公園~赤橋~梶ヶ谷隧道~鹿背山橋台~観音寺橋台~

    JR大和路線・加茂駅(14Km 「レベルA---初心者・一般向き」ほぼ平坦 

「大佛鐡道」ってどこにあるのですか---? どこの鉄道会社ですか---?など質問多し。

 

 明治31年に開通し、奈良と加茂を結んだ約10kmの路線で、わずか9年の「幻の鐡道」でした。廃線になって110年以上経過した今、近代化の遺産として、その足跡をたどるブームが再び起きています。

 「大仏鉄道研究会」三宅学氏のガイドを要所、要所でして頂き、歴史と自然に浸りつつ、五月の風薫る、気持ち良い里山ウォーキングでした。

 

 爽やかな五月晴れ、JR奈良駅から船橋商店街を北へ600m、佐保川傍に小さな「大佛鐡道記念公園」に来ました。大佛鐡道の始発駅--「大佛駅」(大仏さまに一番近い駅)があった場所です。現在は蒸気機関車の動輪記念碑と標識板のみで当時の面影はありません。

 

 奈良の美しい尼寺の一つと言われる「興福院(こんぶいん)」前を通り「鴻ノ池球場」に立ち寄り列詰めを行いました。

 更に北に、奈良ドリームランド跡地辺りから少し登り道となり、眼前の高い所に大きな跨道橋が架っています。「黒髪山(トンネル)跡地」です。当時、この登り坂の急勾配が難所であり、「大佛鐡道―廃線」の最大要因になったと言われています。

 

 梅谷口を迂回し、道路下の「鹿川隧道」(しかがわずいどう)に寄りました。農業用目的で作られた石積の隧道(トンネル)で今も水路として使われており、その現存する姿は100年前にタイムスリップしたような年月を感じさせました。

 

 「県境」の標識を過ぎ、奈良県から京都府へと入って来ました。左側に突如、茶色のラセン状の高い建物が目に飛び込んできました。斬新なデザイン---ユニークな形---傍を通るたびに、これは何だろうか---?と思わせる建築物でした。

正解は―「木津川市上水道―木津南配水池」(高さ47m)。形状は地元の特産「タケノコ」をイメージしているそうです。平成27年、タツタ電線(株)がスポンサーとして名称権を得て、愛称「タツタタワー木津川市」と呼ばれています。

 

 梅美台にやってきました。交叉点下に「松谷川隧道」があります。現在は閉鎖されていますがレンガ造りの隧道で色の違うレンガが交互に配置され、当時の姿をそのままに残していました。

 信号を渡り昼食場所の「梅美台公園」に到着。小高い丘で新緑に囲まれての、心地よい初夏の風が吹く昼食タイムでした。

 

 午後に入り大変暑くなりました。リーダーから「熱中症に充分な注意を---水分補給を忘れずに---」とアドバイス。

 府道44号線から「旧井関川橋梁跡」前の細い田舎道を抜け加茂に向かいました。新緑に囲まれた自然豊かな里山の景観です。道端の竹林では「タケノコ」が大きく育っていました。

 一方、山を削り大規模造成が行われており遺構の傍まで住宅開発が進み、自然の良さが徐々に失われて行く様子は、やや残念でした。

 

 「美加ノ原カントリー」ゴルフ場前に来ました。この辺りは造成の中心地区で、大佛鉄道の代表的な遺構と言われる「赤橋」・「梶ケ谷隧道」も新しい道路下に残存する等、廃線跡ルートも一部変更を余儀なくされており近代化とレトロの交差--複雑な思いでした。

 

 奈良市・木津川市が共同で「大佛鐡道跡」への観光誘致に力を注いでおり、路の整備・新案内板、パンフレットの作成など----、訪れるハイカーも多く、道に迷う事もありません。

 

 左に「鹿背山(かせやま)橋台」の標識。今も微動もせず堅固な構えで魅了される人気のスポットです。続いて「観音寺橋台」到着。石積み橋台で、現在走っている関西本線の橋台と並ぶ位置にあります。

 

 静かで木陰の雑木林・竹林を抜け、のどかな田園に出ました。レンゲ・たんぽぽ----などの香りが一杯、心地良い散歩でした。加茂駅に2時40分ゴール。171名のご参加有難うございました。お疲れ様でした

 幻の遺構と里山:歴史と自然を感じて戴けたでしょうか?

 

次回は、5月20日(金) 是非、歩きたい道・「矢田丘陵自然歩道」へ新緑の森林浴をお楽しみ下さい。

 

  [幻の大仏鉄道―わずか9年で幕]

大仏鉄道は、明治時代の鉄道会社「関西(かんせい)鉄道」の加茂と奈良を最短距離で結んだ、約10キロの路線の愛称です。明治31年、加茂駅から大仏駅(奈良市法蓮町)まで開業。大仏駅は東大寺の大仏詣での人々が利用し、同社の花形路線となりました。翌年、奈良駅まで延伸しましたが、そもそもこの路線は黒髪山など急坂の難所を抱えており、8年後、加茂駅から木津駅を経て奈良駅へ至る平坦なルート(現JR関西線)が開通すると、廃線になりました。営業期間はわずか9年。当時の資料はほとんど残っていないことから、同鉄道は「幻の大仏鉄道」と呼ばれています。今は線路跡に点在する、トンネルや橋の遺構のみが当時の様子を伝えています。

 

  [タツタタワー木津川市]とは  

「木津川市上水道・木津南配水池」の事です。平成11年に建設。デザイン・色彩等につき地元特産の「タケノコ」をイメージし、まちのシンボルとしての役目を合わせもつよう考慮されました。奈良側から京都府に入った県道筋にあり、ユニークなデザインが地域のランドマーク的な存在となっています。高さは47m。平成27年より、この施設にタツタ電線(株)をスポンサー企業とした新名称(愛称)権をスタートし、「タッタタワー」と命名されました。水道施設のネーミングライツとしては、全国初の試みだそうです。

例会報告写真集はここからご覧ください。

漫歩マンさの例会報告写真集は今回お休みの為ありません。