里山満喫[古奈良街道]を行く

新緑の「亀の瀬渓谷・竜田越え」

(3月24日(金)第76回例会報告)

コース:JR大和路線・高井田駅~大和川親水公園~川端吊り橋~青谷運動場~亀の瀬渓谷~

   亀の瀬地すべり歴史資料館~瀧田大社~三郷中央公園~笠石仏~JR大和路線・王寺駅

      (13Km  レベルA---「初心者・一般向き」ほぼ平坦)

  大和川(上流側は亀の瀬方面)

 今回は大阪府柏原市から大和川沿いを遡上、古都大和へ続く「古奈良街道」を巡りました。

 

 古代から、難波京と平城京を結ぶ街道を、斑鳩の竜田(龍田大社付近)を越えることから

古奈良街道「竜田越」とよばれるようになり、飛鳥時代より四天王寺と法隆寺を結ぶ信仰の道・人々の素朴な祈りの道でもありました。時の流れを感じる「いにしえの古道」です。

 JR大和路線・高井田駅対岸の「大和川親水公園」に集合。279名のご参加・有難うございました。

かつて「汚い川」と言われましたが、この辺りは「清流のシンボル」が根付きつつあり、川幅も広くゆったりとした清い流れ・眺望の良い大和川です。

 早春の爽やかな朝・川沿いから25号線を国分地区に、小さな「吊り橋」に到着。(橋長88m、幅員1m)の「川端橋」です。一度に通行できる人員が「15名」と制限されており、揺れもあり戦線恐々の渡りでした。対岸の青谷公園へ全員が渡り終えるまで約20分要しました。一部の人は吊り橋を渡らず、迂回しました。

 列詰め休憩後、右岸を東へ。数軒の家が、ぽつぽつとあるだけの大変寂しい古道(農道)です。右手に渓谷を見下ろし、左手に龍田山のなだらかな草原---春の野草・タンポポ・スミレ・つくし---と和ましてくれます。JR河内堅上駅を過ぎ、大和川は徐々に狭く急流となり大きく蛇行して行きます。

 

 美しい渓谷が開けてきました。大きな亀の形状岩がある「亀の瀬」です。万葉の時代から大阪と奈良を結ぶ交通の要衝でした。急流で川幅が狭く、美しい景観を生み出しているのです。 対岸には、国道25号線とJR大和路線が、峡谷を抜けて走っています。

 

 「亀の瀬地すべり資料室」前に到着。ここで昼食休憩と「集排水用トンネル」と平成20年工事中に、昭和6~7年の地すべりで崩壊、埋もれていた「旧大阪鉄道亀瀬隧道」(レンガ造り)の2ヶ所を見学をしました。

「亀の瀬」は、日本有数の「地すべり」地帯。軟弱地盤のため頻繁に発生、昭和6~7年の大規模地すべりでは、大被害をもたらしました。

 現地には「亀の瀬地すべり資料室」が設置されており、一般に開放されています。今日は係員から丁寧な説明を受けました。

「亀の瀬」は古代より「船の難所」で、古代大阪湾から遡ってきた舟はこの亀の瀬の急流を上れず、舟を降りて陸路沿いに険しい山道を越え、大和に向かったと伝えられ、これが(竜田越え)の所以です。

 

 サプライズです。「亀の瀬地すべり資料室―見学者数」(2016年度から)が、今日で「2000人達成」となり国土交通省近畿地方整備局大和川河川事務所より、記念の「祝2000人」の感謝状を頂き、又、大きな横断幕まで用意して頂き、記念撮影を参加者全員で行いました。

 50年にも及ぶ大工事に感動を覚え、午後のスタートをし三郷町から「龍田大社」「笠石仏」に寄り、大和川の美しい遊歩道を渡り、JR大和路線・王寺駅にゴール。14時20分でした。

 

 地すべり資料室、集排水トンネル、明治の廃線跡トンネル---など、感動を覚えるウォークでした。

古代人の歩いた古奈良街道・亀の瀬---、いかがでしたか?

  次回は 4月1日(土) 桜・桜・桜「佐保川の花見」ご期待下さい。

 

   [亀の瀬・地すべり]

 亀の瀬は地すべり地帯として有名。過去数回に及ぶ大規模な地すべり・特に昭和6年から翌年にかけての地すべりは、規模・被害が大変大きかったことで知られています。

現在も、斜面の崩落を防ぐために大規模な対策事業を行っており、国土交通省近畿地方整備局 大和川河川事務所の管轄で、監視活動がおこなわれています。地域内に「亀の瀬地すべり歴史資料室」が設置され、「亀の瀬地すべり」に関する資料の展示、対策地域の設備の見学会等が行われ、啓蒙活動が行われています。

例会報告写真集はここからクリックしてご覧下さい。会員のK氏、I氏から写真を提供頂きました。

漫歩マンさんの例会写真集は早くも掲載されました。クリックしてご覧ください。

春は城陽から[1万本の梅まつり]

「青谷梅林・山城古道」ウォーク

(3月10日(金)第75回例会報告)

コース:JR奈良線・城陽駅~水度神社~鴻ノ巣山~城陽市総合運動公園~木津川運動公園~

    青谷梅林~城山梅林~西生寺~JR奈良線・山城青谷駅

      (12Km  レベルA---「初心者・一般向き」ほぼ平坦)

 今回は、京都府・城陽市「山背古道」から「青谷梅林」を巡りました。

城陽市は 二つの古都:京都・奈良から ほぼ五里の距離に在り、「五里・五里の里」(ごりごりのさと)とも 呼ばれています。

このJR城陽駅には、268名のご参加を賜りました。

 

 青谷梅林は、京都府一番の梅の生産量(約125万トン)を誇り、広大な丘陵地に50軒あまりの農家が約1万本の梅を栽培しています。その殆どが「白梅」、満開になると大きな白布を広げたような美しさを見せ、ほんのりと甘い香りに包まれます。

 JR城陽駅から「水度神社」(みとじんじゃ)へ。松の老樹が生い茂る美しい参道で、建物は重要文化財に指定されています。

 境内裏から鴻の巣山(117m)に、なだらかな登りが続きますが、整備された自然豊かな気持良いハイキング道でした。約30分で頂上展望台へ、天候に恵まれ木津川市、八幡市---など一望に、素晴らしい眺めでした。

 急な階段を下り緑豊かな「総合運動公園」に到着。列詰めを行い青少年野外活動センターへ抜けました。春うらら、早春の心地よい丘陵散歩でした。

 森の道から野外施設「友愛の丘」経由、府立「木津川運動公園」に到着。「五里五里 の丘」と呼ばれる昨年オープンしたばかりの「自然再生の森」です。

 府が砂利採取跡地を再生し、緑豊かな憩いの公園づくりを府民参画で進めてきました。広大な広場、四季彩々の花壇畑、自然に囲まれた多くの散歩コース---雄大なスケールの新しい公園です。快晴の青空・気持ち良い解放感溢れる場所での昼食タイムでした。

 

 昼休み、会長より「完歩証―IVV」について約10分のレクチャーを行いました。

 

 午後は農道を抜け、目的地「青谷梅林」に入ってきました。農園一杯の梅林は白梅が多く、八分咲き位でしょうか。いよいよ、ピンク色の「 のぼり」が立ち並ぶ「梅まつり会場」へ。地元生産の花々、野菜、お茶、お弁当・自家製の梅干しの店---など風情ある賑やかな風景、お祭りムード一杯でした。

 

  「青谷梅林」は約1万本の梅栽培で知られ 梅木の背が低いのが特徴。殆どが白梅と聞いていましたが、朱色の花も、色鮮やかさを添えカラフルでした。普段は立ち入ることの出来ない農家の「生産梅林」です。

 皆さん買い物と梅林の間を、梅の香りを嗅ぎながら、のんびり散策して観梅を楽しみました。

休憩タイム後、竹林を抜け「城山梅林」へ。白梅の梅花が見頃を迎え綺麗でした。西生寺をへて2時10分JR奈良線・山城青谷駅にゴール。早春の観梅&里山・満喫頂けましたか?

 

次回は3月24日 「古奈良街道」めぐり、亀の瀬渓谷・竜田越え。お楽しみに。

 

   [山背(やましろ)古道]

 山背古道は京都府南部の城陽市・井手町・木津川市の3つの市町にまたがる、京都と奈良を結ぶ全長約25kmの散策道です。南山城の山ぎわをゆるやかにうねるように続くこの小径は、JR奈良線と木津川がほぼ並行し、遺跡や文化財をはじめ豊かな自然、どこか懐かしい風景が息づいています。ハイカーに人気のコースです。

例会報告写真集はここからご覧ください。会員のI氏の写真も併せて掲載いたしました。

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