今年の年忘れ例会--「大仏鉄道」は、いつの時代に、どこを、走っていたのでしょうか？

深紅の蒸気機関車が駆け抜けていた「幻の鉄道」は明治31年に開通し、奈良と加茂を結んだ約10ｋｍ：関西（かんせい）鉄道（株）の路線でしたが わずか9年で廃線になりました。110年以上経過した今も 近代化の遺産として路線跡に隧道（ずいどう）や橋台などの遺構が多く残されています。JR奈良駅に154名のご参加有難うございました。

　佐保川・舟橋通りに小さな「大仏鉄道記念公園」あり。始発駅＝「大佛駅」があった場所で現在は、蒸気機関車の動輪記念碑が残されていますが、当時の面影はありません。

やすらぎの道を北へ、黒髪山（鴻ノ池運動公園辺）に高い跨道橋が架っています。ここが「黒髪山トンネル跡」（大仏鉄道唯一のトンネル）で、当時は勾配が大変きつく、運行上最大の難所であり「大仏鉄道廃線」の最大要因になったと言われています。

さらに北・梅谷口に「鹿川隧道」・梅美台には「松谷川隧道」あり。赤レンガ積みの隧道

（トンネル）で、水路、農道としても使われており、その残存する姿は100年前にタイスリップしたような年月を感じさせ、明治時代の姿をそのまま残しています。心配した雨にも合わず梅美台公園で昼食に。

午後は、住宅街から初冬の美しい里山風景が続きます。一方、大規模な宅地造成が進んでおり、自然の良さが徐々に失われて行く様子はやや残念でした。「城山台公園」に到着。造成地域で大仏鉄道の代表的な遺構「赤橋」と「梶ケ谷隧道」も新しい道路下に残存される姿となりました。近代化とレトロの交差は複雑な思いです。この後大佛鉄道跡の遺構は、鹿背山橋台、観音寺橋台、加茂駅のランプ小屋などが有りますが、今回は「城山台公園」からJR大和路線・木津駅へ13時40分ゴール。

　コロナ、コロナ---の１年、大和ウォーキング協会の例会に多数のご参加を賜り有難うございました。お疲れ様でした。

次回は　新春例会、令和3年1月５日（火）　日本の原風景「飛鳥路」めぐり　今話題の「中尾山古墳」「キトラ古墳・四神の舘」の里山を、お楽しみに。良い新年をお迎えください。

　今、冬一番寒い朝となり、新型コロナ感染防止のため、不要不急の外出自粛要請が出された事もあり、JR奈良駅に105名の参加者でした。有り難うございました。

　本日予定の古都冬の風物詩「春日若宮おん祭り・御渡り式」も、中止となりました。毎年12月17日に、時代装束をまとった多くの伝統行列が、延々約2.5キロ・奈良県庁前から三条通り---春日大社参道のお旅所へと続き、古式豊かな平安時代から江戸時代の風俗を華麗な絵巻で繰りひろげられます。

　八百七十有余年にわたり続いている、大和の歴史が実感できる時代行列のハイライトですが、残念！ 来年に期待しましょう。

　コース変更し、奈良歴史の道から「ならまち」散策へ。観光客も少ない静かな奈良公園---鹿さんと戯れ、 落ち葉踏み踏み---師走ウォークでした。「ならまち」は行政地名ではなく、江戸時代から明治時代にかけての町屋が多く並ぶ「元興寺旧境内」を中心とした地域です。世界文化遺産の「元興寺」は1300年の歴史を持つ古都の国宝で南都七大寺のひとつです。

 「ならまち格子の家」はじめ、レトロな雰囲気の伝統的な古い町家が今も多く残っており、格子戸のある家々、細い路地が続き、昔の面影を今に伝えています。訪れる人に懐かしさと、歴史を感じさせる伝統景観です。13時40分 猿沢池前ゴール。お疲れ様でした。

　次回は、12月24日（木）　わずか9年！　幻の「大仏鉄道」跡めぐり。

今年最後の年忘れウォーク・お待ちしております。